1。無血・血管造影に必要な新たな動脈穿刺針と新たなストップコック/カテーテルハブをそれぞれ開発し、その基礎的な性能を評価するとともに、この両者を組み合わせて用いた血管造影検査を施行し、その臨床的有用性を検討し得た。 2。穿刺針の構造概略と機能 動脈穿刺針は逆流止血弁をその内部に有しており、内筒針を抜き去った後、血管が穿刺針の近位端から噴出する事なく、かつ、止血弁の手前で動脈拍動の確認が可能な構造となっている。この止血弁はガイドワイヤー挿入時にも、その隙間からの血液漏れを防止する。更に、抜き去られた内筒針の先端は自動的に誤穿刺防止用のスリーブに覆われるため、きわめて安全性の高い構造とした。 3。ストップコックの構造概略と機能 ストップコック/カテーテルハブはダックビルバルブを内蔵した一方通行弁を有している。このため、血液の逆流を起こす事なくガイドワイヤーや子カテーテルをストップコックの近位端から挿入する事が可能である。また、弁の開放と閉鎖はノブにて調節可能な構造となっている。 4。これらの器具を組み合わせた無血血管造影検査は血液の漏出がほとんど無く、術者感染の防止上から有用なものと考えられた。
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