目的:新たに開発したvascular entry needleと一方通行弁をもったstopcockを組み合わせたbloodless angio-systemの基礎的並びに臨床評価をおこなった。 穿刺針の構造:vascular entry needleは逆流止血弁を有しており、内筒針を抜き去った後、血液が穿刺針の近位端から噴出する事なく、止血弁の手前で拍動を保ったまま留まり、動脈拍動の確認が可能な構造である。更に、この逆流防止弁の特徴はガイドワイヤー挿入時にも、挿入されてガイドワイヤーに防止弁がまとわりついて血液の漏出を防止しえる。更に、内筒針の先端には誤穿刺防止用のスリーブが付いている。 stopcockの構造:stopcockの基本構造はduck bill valveを内蔵した一方通行弁である。この一方通行弁はきわめて柔らかく、coaxialに挿入された子カテーテルに対しても血液漏れが生じない。なお、必要に応じて、この逆流防止弁を開放するノブスイッチが備えられている。 本システムの基本性能を評価した後、In vivoによる評価を行った。 結果:基礎実験において臨床応用可能な性能を有していることを確認しえた。臨床応用では血液漏れは極めて僅かであり、bloodless angiographic examinationとなり得た。 結語:これらの器具を組み合わせた血管造影検査は血液の漏出がほとんど無く、術者感染の防止に対して有用なものと考えられた。
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