研究概要 |
スペクトル測定には大塚電子(USA)INC社BEM140/200(4.7T)を用いた。 1)31P-MRSを用いた肝機能評価;コリン欠乏食あるいはコントロール食を2週間摂取させた2群のラット肝(脂肪肝、正常肝)について、fructose静注後31P-MRSでPi,PME,ATPの経時的変化を90分間観察した。それぞれの代謝物は静注後、2群とも同様の変化パターンをとり、両群間に統計学的有意差は見られなかった。先に行った5-FU投与後の変化と併せると、脂肪肝においては5-FU代謝の方が障害されやすいと考えられた。 2)19F-MRSを用いた酸素分圧の測定;Hexafluorobenzene 20ulをラット大腿筋に筋注し、スペクトルを観察した。Spin-lattice relaxation rate(R1=1/T1)とpO2の関係は37℃のとき、R1=0.0764+0.00171pO2(torr)で表される。これと100%O2^〜760torrを用いて組織の%pO2を求めた。われわれの検討ではT1=3.33s,%pO2=17.2%となった。 3)重水を用いた血流の検討;20ulのD2Oをラット大腿筋に注入し、スペクトルを観察した。TR=0.25ms,20回積算とし、良好なスペクトルを得た。経時的にスペクトルのピークは減少し、血流との関連が示唆された。しかしスペクトルに影響をおよぼすパラメーターは血流だけではなく、この解析法については今後の課題と考えられた。
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