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1998 年度 実績報告書

低神経毒性放射線増感剤KIN806とKIN896の免疫賦活作用に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08671036
研究機関高知医科大学

研究代表者

猪俣 泰典  高知医科大学, 医学部・付属病院, 講師 (90176462)

研究分担者 小川 恭弘  高知医科大学, 医学部, 助教授 (90152397)
キーワード放射線増感剤 / 放射線治療 / KIN806 / KIN896 / 転移
研究概要

KIN806とKIN896とに見られる免疫賦活作用が他の実験系にても再現性があるか否かを明らかにし、これらの増感剤に見られる作用が構造式の側鎖に依存するか否かについても2ニトロイミダゾールのデスニトロ化合物を用いて明らかにした。材料は8週令雌C57BL/6マウスとルイス肺癌細胞、放射線増感剤にはKIN806、およびKIN896を、2ニトロイミダゾールのデスニトロ化合物としてTX1910を用いた。材料には8週令雌のC57BL/6マウスとルイス肺癌細胞とを用いた。マウスの右後枝に500,000個の腫瘍細胞を移植後5日目に^<60>Coγ線30Gy1回目の局所照射を行った。放射線増感剤併用群では照射の30分前にKIN806とKIN8960.4mg/gをそれぞれ投与した。照射後に腫瘍体積の変動を観察するとともに、治療後2,3,4週目にはマウスを屠殺して腫瘍組織と肺とを摘出し,肺表面の転移結節数を計測した。腫瘍組織は摘出後ただちに液体窒素中にて保存しABC免疫染色を行った。照射単独群と比較して増感剤投与群では腫瘍の増大は抑制され,KIN806併用群の方がKIN896併用群よりもやや強い増感効果を示した。増感剤投与群では非投与群と比較して肺転移結節数はほぼ3分の2から半数となり,KIN896はKIN806よりもすぐれた転移抑制効果を有していた。腫瘍組織内浸潤単核球についてはKIN896,KIN806投与により軽度のhelperTリンパ球と中等度のkiller/supperssorTリンパ球浸潤,さらに中等度以上のmacrophageの浸潤がみられた。TX1910は増感作用、転移抑制作用のいずれをも示さなかった。KIN896はKIN806とともに放射線増感作用とともに免疫賦活作用を有するbifunctinalな増感剤であることが実験系を変えても再現性を持って示された。特にKIN896は低神経毒性であるとともに水溶性が高く,臨床への応用が十分に可能である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] T.INOMATA: "The Immunopotentiation Effects of the Bifunctional Radiosensitizer KIN806 in Comparison with its Analogs KIN804 and KIN896" Radiotherapy and Oncology. 32. 未定 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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