研究課題/領域番号 |
08671040
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
坂本 一郎 長崎大学, 医学部附属病院, 助手 (00225806)
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研究分担者 |
林 邦昭 長崎大学, 医学部, 教授 (80039536)
福田 俊夫 長崎大学, 医学部附属病院, 助教授 (80165290)
小川 洋二 長崎大学, 医学部附属病院, 助手 (50233432)
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キーワード | 高安動脈炎 / CT / MRI / 血管内超音波 / 血管内内視鏡 |
研究概要 |
I.高安動脈炎の診断におけるCTの有用性についての検討 高安動脈炎患者7例(慢性期6例、急性期1例)に対してspiral CTを用いた単純および造影CT、3D-CTを行った。慢性期症例では単純CTで動脈壁肥厚および著明な石灰化が認められたが造影CTでの壁の染まりはなかった。また3D-CTでは、大動脈弓分技の閉塞、狭窄や胸腹部大動脈の壁不整が明瞭に抽出されこれらの所見は血管造影所見とほぼ一致していた。急性期症例では大動脈壁,大動脈弓分枝の著明な濃染像が認められたが、大動脈弓分枝の閉塞、狭窄はなかった。 II.高安動脈炎の診断におけるMRIの有用性についての検討 高安動脈炎患者7例(慢性期5例、急性期2例)に対して心電図同期下spin echo像を用いた造影MRIを施工した。急性期症例では2例とも大動脈壁および肺動脈壁の著明な濃染像が認められたが慢性期症例ではこれらの所見は認めなかった。慢性期5例においてMR angiographyによる血管内腔の評価を試みたが、いずれも血管造影と同程度の情報を得ることが可能であった。 III.血管内超音波・内視鏡での動脈壁の観察 血管内超音波および内視鏡の画像を評価するために閉塞性動脈効化症の患者10例にそれらを施行した。10症例とも動脈壁の石灰化および血栓,アテローマによる内膜肥厚などが明瞭に抽出され血管内や壁の観察が十分に行えることが証明された。高安動脈炎の患者2例に血管内超音波を施行し、腸骨動脈領域において、通常の閉塞性動脈硬化症よりも著しい内膜肥厚が観察された。今後も症例を重ね、肺動脈や大動脈領域の観察も行い高安動脈炎における動脈壁のより詳細な形態把握を試みる予定である。
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