研究課題/領域番号 |
08671052
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
杉野 吉則 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50118957)
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研究分担者 |
奥田 茂男 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30233456)
藤澤 裕久 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60199312)
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キーワード | 消化管X線診断 / デジタル・ラジオグラフィ / イメージ・インテンシファイア / 画像処理 / CCD・DR / 空間周波数強調 / 画像解析 |
研究概要 |
1.DR装置および画像処理方法の開発:臨床画像の検討から消化管の微細所見を描出するには処理条件として周波数15lp/cmを中心に3.0倍前後の空間周波数強調が適していることが分かった。またその補正係数として最もノイズを減らすものが有用であった。階調特性曲線についても適するもの分かってきたので、これらのデータに基づいて次年度に導入予定の2K×2KのDR試作機の開発に応用する。 2.DR装置を用いた検査方法の検討:DRには従来のX線直接撮影とは多くの相違点があるため、これまでの検査法ではその特徴を十分に生かし切れないので、DR装置用の検査方法を検討した。DRの利点であるレアルタイムの画像表示機能を生かして、検査中にDR画像を5-6枚撮影し、撮影直後にその画像を観察し、微細病変の発見につとめた。この結果、初心者でも径1cm以下の小病変の発見が増加し、さらにその病変を狙って撮影することによって質的診断能も向上した。検査方法としては、DRの欠点であるダイナミックレインジの狭さを補い、さらに空間分解能の向上をはかるため、全体像のみ9〜12インチの視野で撮影し、それ以外は5〜7インチの視野で撮影するようなマニュアルを検討中である。また、DRでは曝写のタイミングが制御でき、心拍や体動と同期することによってタイミングがよくブレのない画像が撮影できるので、心電計をモニタリングし曝写をゲイトする装置を開発し臨床試験中である。 3.コンピュータによる診断支援(CAD)ソフトの開発:食道の早期癌の拾い上げや深達度診断、慢性胃炎と平坦型早期胃癌(IIb)との鑑別、大腸の早期癌と腺腫や過形成性ポリ-プとの鑑別についてDR画像を解析処理してCADを行う。その解析方法としては、フラクタル解析を用いることとし、現在データのサンプリングの方法の検討やソフトの開発に着手した。
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