C57BLマウス(7W、雄)の胸部をγ線16Gyおよ20Gy照射した。照射後160日間を経過した時点では、照射群および非照射群のマウスに死亡例は無かった。180日間の生存率を調べるため、観察を継続している。また組織標本を作成し、照射による変化を検索している。 マウス(ICR、雄、8週令)の肺臓、肝臓、腎臓および血中の肝細胞増殖因子(HGF)量を酸素免疫学的方法で測定した。肺臓、肝臓、腎臓及び血漿中のHGF濃度はそれぞれ、およそ900ng/g(組織重量1g当たり)、73ng/g、230ng/gおよび3.9ng/mlであった。肺臓については、組織試料の作成法に問題があると思われ、上記の値は実際よりも小さい可能性があり、アッセイ法の改善を検討している。 マウスをγ線により全身照射し、組織中のHGF量を調べた。肝臓、腎臓および血漿については、2Gy照射ではγ線照射によるHGF量の変化はみられなかった。30Gy照射では、肝臓、腎臓中のHGF濃度は、照射後12時間目に一過性の増大があり、その後48時間から72時間にかけて再び増加した。血漿中のHGF濃度は30Gy照射後12時間目に減少する傾向が見られるが、その後72時間までは照射前の濃度と同じであった。肺臓については、予備的データであるが、2Gy照射で24時間目の減少、30Gy照射で24時間目の増加がみられた。 胸部照射のみ行われたマウスから各種臓器を経時的に採取したが、肺内HGF量の測定は、試料作成に伴う問題点を解決した後に行う予定である。
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