研究概要 |
宇宙飛行士の宇宙飛行後における骨塩定量の減少と生体構成成分の変化について検討続行している。前回までの宇宙飛行後の骨塩の変化は、腰椎、踵骨などの荷重骨で2%程度の減少齲が見られる可能性が示唆されていた。最新の宇宙飛行士より得られたデータは、whole body bone mineral conent(BMC),whole body lean,whole body fat,whole body massのすべての値は、飛行後3日(R+3)において、飛行前(L-)の値よりも低下を認めた。いずれの値も飛行後11日(R+11)では、飛行後3日(R+3)よりも上昇しており回復傾向を認めた。 L30の値を基準とすると、回復の程度は、BMCやwhole body leanでは比較的速やかであり、whole body Fatの回復は比較的ゆるやかと考えられた。 Whole body bone miineral densityも、R+3で最低値となりR+11で極わずか増加し回復傾向wを認めたが、荷重骨である腰椎については飛行前に既に低下傾向を認め、飛行後の値と比べ有意な変化は認められなかった。飛行後のデータはまだ計測予定があり、今回の飛行の総合的な解析は、データが入手され次第行う予定である。 今後も引き続き行われる数少ない宇宙飛行士の貴重な検査結果を、さらに詳しく、年齢、性別、飛行時間、船外活動の有無、血液液検査の結果などを十分に考慮し検討して行く予定である。
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