研究実績の概要;肺癌患者のリンパ節転移より得たヒト型抗肺癌モノクローナル抗体、HB4C5(IgM)、をさらに分子量の小さいL鎖型の抗体にすると共に、遺伝子組換えして人体に対して抗原性がない完全ヒト型の抗体、C5-λにし、画像診断用薬剤としての適性を評価している。この完全ヒト型抗体をI-125で標識し肺癌移植マウス、IC-6、に投与したin vivoの実験では、癌固形部において集積率は0.05%ID/g、腫瘍対血液比4.3倍と比較的高い集積となった。そこで本抗体を画像診断用核種として使いやすい放射性インジウム、In、による標識を試みた。In標識に通常用いられるキレート剤、DTPAはPH6の条件下において、C5λ 1分子に対して約1分子を標識することができ、この条件下では抗体活性も保持されていることが確認された。そこで現在、これら条件下にIn-111DTPAによるC5-λの標識を行い、標識効率、収率、抗体活性他について実験を行っている。そしてI-125やI-131による標識の結果と比較して臨床応用の可能性を検討している。
|