平成9年度には平成8年度の研究を発展し、以下の研究を実施した。 1.実験動物を利用した研究 平成8年度には、フェレットを実験動物モデルとして用い、下肢骨の骨量および骨の幾何学的強度指標の測定を試みた。平成9年度にはさらに症例を増やして、研究を継続し、麻酔下でpQCTによる下肢骨の測定を再現性良く行う方法を確立した。次いで、この実験動物モデルを用い、免荷による骨変化およびビスフォスフォネートの予防・治療効果の検討を行った。免荷による骨変化の概要は観察できたが、筋萎縮による測定結果への影響が無視できず、特に骨密度の経過観察に於いて問題となった。今後は、本点を中心として測定精度の向上を図り、実験動物のinvivo測定系の改良を行う予定である。 2.屍体骨を利用した研究 平成8年度には、解剖用献体の前腕部をpQCTにより撮影し、骨量および骨の幾何学的強度指標の測定精度を検討した。平成9年度にはこれを下肢骨に対して実施し、同様の高い測定精度を有することを確認した。さらに、pQCTで得た高解像度画像データから、骨の構造に関する指標の抽出を試みた。一般的な幾何学指標の他、フラクタル解析やフーリエ解析などのテクスチャー解析による指標を得た。現在、これらの意義について検討中である。
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