研究課題/領域番号 |
08671069
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
田中 達也 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (20108715)
|
研究分担者 |
米増 祐吉 旭川医科大学, 医学部, 教授 (30038666)
前田 高宏 旭川医科大学, 医学部, 助手 (60281896)
橋詰 清隆 旭川医科大学, 医学部, 助手 (00250580)
國本 雅之 旭川医科大学, 医学部, 助手 (70250579)
|
キーワード | Pontine reticular formation / Kainic acid / Geueralized seizure / Autoradiography / Focal seizure / Mesencephalic reticular formation |
研究概要 |
我々は、ラットの一側脳幹網様体または脳橋網様体にカイニン酸を微量注入すると、脳幹網様体焦点の場合は強直・間代性けいれん発作重積が誘発され、脳橋網様体焦点の場合は、無動発作から始まる強直発作が誘発されることが明らかにした。本研究では、両モデルの発作時に、脳内のbenzodiazepine receptorがどのように変化するのかを検討した。 <方法>実験には、8匹のラットを用いた。ラットは、4匹をA群:脳幹網様体焦点群、4匹をB群:脳橋網様体焦点群とした。Nembutal麻酔下にラットの脳幹または脳橋網様体に定位的にカニューラを刺入し、術後1週間経過した時に、ハロセン麻酔下に大腿動・静脈にカニュレーションしてから、腰部以下をギプス固定し、麻酔より覚醒した、安静時にカイニン酸をカニューラを介して1μg注入し強直発作重積を誘発した。発作重積時に125I-Iomazenilを投与し、オートラジオグラフィーをおこない脳幹または脳橋網様体発作が全脳の、benzodiazepine receptorにどのような変化を惹起するのか検討した。 <結果>オートラジオグラムをイメージスキャナーを用いて、その画像をコンピューターに取り込んで解析した。A群ではてんかん焦点の脳幹網様体から全脳に広がる高集積域を、B群では、てんかん焦点の脳橋網様体から主に両側前頭葉下面に広がる高集積域を認めた。 <考察>本研究により、強直発作時のbenzodiazepine receptorの変化は、A群の場合は、脳幹網様体賦活系を介して全脳の大脳皮質の興奮を誘発し、B群の場合は、fronto-pontine tractを介して両側前頭葉に高集積が認められたものと推察され、新しい知見である。しかし、これらの変化は、すでに報告し脳局所糖代謝の分布とほぼ同一で血流の変化を反映している可能性があり、次年度に計画している14C-Iodoantipyrineを用いた局所脳血流量の変化を考慮して結論すべきと考え研究発表は平成9年度にまとめて行う予定である。
|