研究課題/領域番号 |
08671079
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
鈴木 道雄 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (40236013)
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研究分担者 |
住吉 太幹 富山医科薬科大学, 附属病院, 助手 (80286062)
倉知 正佳 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (80019603)
江守 賢次 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (70262524)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | 興奮性アミノ酸 / N-メチル-D-アスパラギン酸受容体 / ドーパミン / 嗅内皮質 / 精神分裂病 / アンチセンス / in situハイブリダイゼーション |
研究概要 |
興奮性アミノ酸神経伝達の低下、特に精神分裂病患者で形態異常が報告されている、嗅内皮質における伝達低下に伴う、ドーパミン神経伝達の変化を検討する目的で、以下の実験を行った。第一に、グルタミン酸受容体亜型の一種である、N-methyl-D-aspartate(NMDA)受容体のR1サブユニットのメッセンジャーRNA(mRNA)に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを脳室内に投与したラットについて、DA伝達の変化を検討した。このラットでは、R1サブユニットmRNAに対する相補的なプローブによるin situハイブリダイゼーションを行うと、側坐核や線条体内側部などの脳室周囲構造において、R1サブユニットmRNAの発現が低下していた。現在は、NMDA受容体蛋白の発現の変化を含めてより詳細に検討中である。このラットでは、A10のDA細胞の発火パターンの変動性の指標が、対照群に比較して有意に低下した。同じラットにおいて、ドーパミンD1およびD2受容体とチロシン水酸化酵素(TH)のmRNAの発現には有意な変化はみられなかった。今後は、選択的な放射性リガンドを用いた受容体オートラジオグラフィによるD1とD2受容体蛋白結合の変化についても、定量的に検討する予定である。第二に、キノリン酸による左側嗅内皮質傷害ラットにおいて、ドーパミンに関連した行動(探索運動量、メタンフェタミン誘発移所運動量、常同行動)や、ドーパミン受容体など後シナプスの変化を検討している。今後、ドーパミンDlおよびD2受容体とTHのmRNAの変化について、細胞レベルの検討も含めて定量的に評価し、同時に、受容体オートラジオグラフィによるD1とD2受容体蛋白結合の変化も検討する。
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