研究課題/領域番号 |
08671086
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
工藤 喬 大阪大学, 医学部, 助手 (10273632)
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研究分担者 |
谷口 典男 大阪大学, 医学部, 助手 (30263255)
武田 雅俊 大阪大学, 医学部, 教授 (00179649)
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キーワード | アルツハイマー病 / プレセニリン / 線維芽細胞 / 突然変異 |
研究概要 |
若年発症家族性アルツハイマー病の約70%の原因遺伝子とされるS182蛋白(プレセニリン1)はアルツハイマー病発症過程に強く関与していると考えられる。しかしながら、この蛋白の生理的機能や病理的意義については不明である。本実験では、プレセニリン1の突然変異が確認されている2家系(OS-2、OS-3)より採取した線維芽細胞を用い、プレセニリン1の蛋白レベルの変化について検討し、その病態との関わりについて検討した。まず、プレセニリン1のN端、C端に相当するペプチドを合成し、それらを免疫源としてポリクロナル抗体を作成した。これらの抗体を用いた免疫組織化学的検討では、突然変異を有する線維芽細胞と正常或いは弧発例の細胞との間にプレセニリン1の分布に差は認められず、細胞膜及びendoplasmic reticulumに局在することが認められた。ウエスタン法による検討では、OS-2家系においてプレセニリン1のN端に対する抗体によって認識される27Daペプチドが消失し、プレセニリン1の突然変異によってN端に何らかの修飾を受けることが示唆された。最近の知見では、プレセニリン1はendoproteolysisを受けることが指摘されており、その産物がが何らかの生理的活性を持つとも考えられる。OS-2家系の線維芽細胞では低分子量のペプチドが消失し、これはendoproteolysisの異常を示している可能性が示唆される。これらの結果より、プレセニリン1の突然変異は蛋白のプロセッシングに異常をきたし、アルツハイマー病の発症に何らかの影響を与えるものと考えられた。
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