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1996 年度 実績報告書

長期閉鎖空間での集団生活が心身に及ぼす影響に関する精神医学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08671102
研究種目

基盤研究(C)

研究機関自治医科大学

研究代表者

曾根 啓一  自治医科大学, 医学部, 教授 (50154711)

研究分担者 関口 千春  宇宙開発事業団, 主任医長
高野 謙二  自治医科大学, 医学部, 講師 (10197113)
キーワード宇宙精神医学 / 閉鎖空間 / グループダイナミックス
研究概要

実験設備の試験運用の機会を捉えて行った私たちの今回の実験は我が国における初めてのもので、使用方法、データ蓄積方法などの検討を目的とした。実験場所はつくば宇宙センターの宇宙飛行士養成棟の閉鎖環境適応訓練設備(閉鎖空間)で、日時は平成8年10月21〜25日の間であった。被験者は精神・身体的諸検査を通して選抜された健康な男性7人、女性1人で、彼らは4人づつの2グループに分けられ、同時に閉鎖空間に入室し、48時間の共同生活をした。閉鎖空間は生活空間と作業空間の二つに分かれており、各グループの生活時間を約12時間シフトすることによってグループ間の独立性は確保された。2グループの行動はデレビモニターにより観察された。実験は概ね予定通り行われた。被験者のスケジュールは大きく分けて作業時間・自由時間・食事時間・睡眠時間であり、トイレ等の限られた空間を除いた全ての空間での彼らの行動は24時間複数の精神科医により観察された。閉鎖空間入退の直前直後に内科的・精神科的診察、p300の測定、心理テスト(CMI、不安攻撃テスト)が実施された。閉鎖空間内での実験内容の作業としてワープロ打ち込み(ドイツ語)、テレビゲーム、日記記帳、討論会があり、その間、複数回にわたり心理テスト(内田クレペリン検査、不安攻撃テスト)、感想も含む問診が行われた。24時間畜尿から尿中モノアミンの測定も行った。結果:精神状態・身体状態の変化は個々人とグループ間とで差異があり、興味深い結果が得られた。また来年度に向けての問題点として実験期間の延長(4〜5日間)に備え、被験者の選抜(実験への動機・人種も含めた被験者の質など)、実験作業の習熟(事前訓練)、実験体制の整備(実験側の人員の確保など)などについて更に工夫をこらす他、グループダイナミックスをより正確に捉えるために、作業内容、観察方法の検討が必要であることなどが明らかになった。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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