研究課題/領域番号 |
08671105
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
玉井 洋一 北里大学, 医学部, 教授 (80050441)
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研究分担者 |
田口 文章 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (40050455)
笹原 武志 北里大学, 医学部, 講師 (10154014)
三浦 貞則 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (70050383)
中村 和生 北里大学, 医学部, 講師 (40189030)
小嶋 久子 北里大学, 医学部, 助教授 (90118810)
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キーワード | クロイツフェルト・ヤコブ病 / 伝達性海綿状脳症 / 海綿状変性 / ブリオンタンパク / 腫瘍壊死因子 / インターロイキン / サイトカイン / 一酸化窒素合成酵素 |
研究概要 |
[実験目的]クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)をはじめとする伝達性海綿状脳症の脳の組織学的特徴である海綿状変性形成の機構を明らかにすることを目的として、異常ブリオンタンパク(PrP^<CD>)の蓄積、サイトカインTNF-αとIL-1α)のmRNAの発現、および誘導型の一酸化窒素合成酵素(iNOS)mRNAの発現状態を調べ、これらの相関関係について考察した。[実験結果]SWR/jマウス脳に北里1株を接種すると、接種後15週目から16週目に発病し、徐々に憎悪して21-22週で死亡する。この過程で、PrP^<CJ>の蓄積は接種後16週目にウエスタン・ブロットにより確認され、以後病気の進行とともに増量した。TNF-αとIL-1α-mRNAの発現はRT-PCR法により19週から22週目に観察された。グリオーシスの指標となるGFAP-mRNAの発現も経日的に増加し、19-22週で最大値に達した。iNOS-mRNAは7、13週目の試料でかすかなバンドが検出され、19、22週目で急激に発現が増強した。CJDマウス脳でNOSの過剰発現を観察したのは本実験が最初である。[結論]本実験の結果から海綿状変性について以下の機序が推測された。PrP^<CJ>の蓄積が引き金になってアストログリアあるいはマクロファージ/ミクログリアが活性化され、その結果サイトカインの産生が賊活されてNOSの合成を刺激し、過剰に産生されたNOにより、神経細胞死およびミエリンの空胞化が起る。今後、NOSタンパクの分析、神経細胞のアポトーシスの解析を進め、海綿状変性形成の機構を解明する予定である。
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