研究課題/領域番号 |
08671106
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
中島 節夫 北里大学, 医療衛生学部, 助教授 (20050461)
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研究分担者 |
菅原 道哉 東邦大学, 医学部・精神神経科, 教授 (30226427)
鈴木 牧彦 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (90226548)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | 精神分裂病 / 運動技能 / 自転車エルゴメーター / 注意 / 精神科デイケア療法 |
研究概要 |
本研究では、精神科デイケアに参加する精神分裂病患者を対象に、その運動技能とその変化、注意・認知機能との関係を検討した。結果は以下のように要約される。 1)種々の体力テスト(反復横飛び、垂直飛び、握力、背筋力、伏臥上体起こし、立位体前屈、上体起こし)、感覚一運動協応技能検査(ペグボードテスト)、自転車エルゴメーターを用い全身持久力試験を施行したところ、分裂病患者の身体運動機能は、日本人の一般人口に比して、顕著に低下していることが判明した。 2)分裂病患者における体力の低下は、その精神症状、とりわけ、陰性症状と全般的精神病理症状と、結びついていることが判明した。 3)しかしながら、その体力は、精神科デイケアプログラムへの参加期間中、徐々に向上・改善することも明らかとなった。こうした体力改善は、患者の転帰に依存するというよりむしろ、デイケアプログラムの治療的効果を反映するものであることが示唆された。 4)運動・スポーツ活動は、分裂病患者の気分の改善身体的自己効力感の向上に有効であることが判明した。分裂病患者の体力と精神症状の向上には、こうした気分の改善と身体的自己効力感の向上も介在していることが示唆された。 5)分裂病患者の体力の改善度は、握力や垂直飛びなどのいわば要素的種目より、ジグザクドリブルや反復横飛びのような巧緻性、敏捷性を要する種目で顕著であった。これは、患者の注意・認知機能の改善と結びついている可能性が示唆された。すなわち、注意・認知機能(トレールメーキング・テスト)における遂行成績は、反復横飛びや感覚一運動協応技能(ペグボードテスト)の成績と有意な相関を示していた。
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