研究課題/領域番号 |
08671130
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
太田 耕造 東北大学, 医学部, 講師 (10185267)
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研究分担者 |
庄司 優 東北大学, 医学部, 助手 (10226300)
木村 時久 東北大学, 医学部, 助教授 (00004945)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | Osmotic Demyelination / Glutamate / GABA / Nitric oxide / DDAVP / SIADH / Microdialysis |
研究概要 |
本研究は慢性低Na血症時およびその急激な補正時に発生する浸透圧性障害であるOsmotic Demyelination(脱髄)の成立機構に果たす脳内活性アミノ酸(AA)および一酸化窒素(NO)の役割を微小透析法を用いて明らかにする目的で行った。方法:10週齢のSDラットの皮下に浸透圧ミニポンプを植え込んで、一週間にわたりDDAVP投与して低Na血症を作成した。微小透析プローブを線状体に挿入し翌日意識下にProbeをリンゲル液で潅流した。高張食塩水の持続静注前、30分後および60分後の計3回潅流液を採取した。実験終了1週後、経心的に脳を灌流固定し、組織検索を行った。結果:DDAVP投与2日目より低浸透圧性低Na血症が持続し、7日目の高張食塩水投与後60分で血清Na濃度および浸透圧は正常化した。低Na時には潅流液中興奮性AAのGlutamateおよびGlycineおよびNOは増加し、抑制性AAのGABAは低下していた。浸透圧補正時には興奮性AAおよびNOが減少したがGABAは不変だった。中脳から橋にかけて中心部に脱髄所見が見られた。考察:慢性低Na血症時には興奮性AAのGlutamate、Glycineおよび神経毒性を持つNOが増加しており、急激な浸透圧補正時にこれらが減少することが明らかになった。他方、抑制性AAのGABAは低下しており、急激な浸透圧補正時には明かな変動を示さないことが明らかになった。即ち、浸透圧性神経障害である脱髄の発生機序として興奮性AAを伝達物質とする神経活動の急激な変化、および神経ニューロンおよびグリア細胞などで産成される組織障害性NOの急激な変化が関与する可能性が示唆された。
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