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1997 年度 実績報告書

終末糖化産物(AGE)により糸球体メサンギウム細胞に誘導される遺伝子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 08671147
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

羽田 勝計  滋賀医科大学, 医学部, 助手 (60164894)

研究分担者 西尾 善彦  滋賀医科大学, 医学部, 助手 (40281084)
キーワード糖尿病性腎症 / メサンギウム細胞 / 終末糖化産物(AGE) / mRNA differential display / 遺伝子発現
研究概要

糖尿病性腎症の成因として、研究代表者らは、腎糸球体メサンギウム細胞の代謝異常および機能障害の重要性を提唱してきた。糖尿病状態において、メサンギウム細胞は高濃度のブドウ糖に曝されるのみならず、糖化を受けた基質成分や血中由来の終末糖化産物(AGE)にも曝されていると考えられる。メサンギウム細胞はAGE受容体を有していることが報告されており、過剰に存在するAGEがメサンギウム細胞の機能を変化させる可能性が推定される。そこで本研究は、AGEにより生ずるメサンギウム細胞機能変異を明らかにするために、メサンギウム細胞でAGEにより発現が誘導される遺伝子を同定することを目的とした。
昨年度、mRNA differential display法を用いて、AGEによりメサンギウム細胞で発現が変化する遺伝子のスクリーニングを行ったが、本年度はそれらの遺伝子の同定を行った。mRNA differential displayによりAGEとcontrolで差のあるbandを78個認め、その内Northern blotで6個の遺伝子の発現の変化を確認した。その全ての塩基配列を決定したが、6個の内3個は既知の遺伝子との相同性を有さなかった。AGEで発現が増強する2個の遺伝子はmitochondrial elongationfactor Tuおよびmesenchyme fork head-1遺伝子と高い相同性を有しており、AGEで発現が低下する遺伝子はactin depolymerizing factor遺伝子と高い相同性を有していた。これらの成績は、mRNA differential display法が糖尿病状態で発現が変化する未知の遺伝子の検索に有用であることを示していると共に、糖尿病におけるメサンギウム細胞機能変異にAGEによる遺伝子発現の変化が関与している可能性を示唆していると考えられる。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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