1培養単離ラ氏島を用いてのグルコカイネースの量および局在の変化の検討 糖刺激後のラ氏島内のグルコカイネース(以下GK)量の変化をみる目的で、ラ氏島を単離し一晩培養、5.5mMグルコースHanksで2時間前培養後、5.5mMおよび16.7mMのグルコースを含むHanksで2時間培養し、直ちに総蛋白を抽出し、western blotにてGK量の変化を検討した。通常の約11mMグルコースを含むRPMIで一晩培養した場合、既にGK量が増加しており、上記条件では変化がわからないことが判明した。5.5mMグルコースRPMIで前培養すると、高血糖刺激でGK量が増加することが明らかになった。さらに、細胞内局在の変化を調べるため、核、ミトコンドリア、細胞内小器官、細胞質の4分画に分けて各分画内のGK量を検討したが、一定した傾向を認めなかった。これは、蛋白抽出液中でGKと細胞内器官との結合が解離してしまうためと考えられたので、種々の抽出液を用いて検討中である。 2.グルコカイネースの細胞内局在部について免疫組織学的検討 GKの細胞内局在部を明らかにするために、共焦点顕微鏡を用いての検討を進めている。GKの局在がGolgi装置と無関係であることを明らかにした。GKがミトコンドリアと結合するとの報告があり、膵切片細胞内のミトコンドリアを観察するため、種々の抗ミトコンドリア抗体を試し、条件設定を行った結果、最近、共焦点顕微鏡でミトコンドリアを検出できる系を確立できた。GKに加え、抗ヘキソキナーゼ抗体も入手し、GK、HKの免疫活性とミトコンドリアとの関係を糖刺激前後で検討中である。
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