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1997 年度 実績報告書

エンドセリン変換酵素の作用機構解析と阻害剤開発-血管合併症新規治療薬開発に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 08671167
研究機関九州大学

研究代表者

高柳 涼一  九州大学, 医学部, 講師 (30154917)

キーワードエンドセリン / エンドセリン変換酵素 / ビッグエンドセリン / 血管内皮
研究概要

成熟エンドセリン(ET-1)は中間体のbigET-1が「エンドセリン変換酵素-1」(ECE-1)によりプロセスされて生成する。bigET-1には殆ど生物活性がないため、bigET-1からET-1への変換はET作用発現のkey stepと考えられる。本研究ではECE-1の構造・活性相関を解析、分子設計コンピュータープログラムによるECE-1の阻害剤開発に必須の基礎的知見を得ることを目的として以下の成績を得た。
1.bigET変換活性を阻害するbigET誘導体の検索:種々の構造変換を行ったbigET-1誘導体を合成し、ECE-1に対する阻害活性を検討した結果、[F^<21>]bigET-1(18-34)と[A^<31>]bigET-1(18-34)の2種の誘導体が有意の阻害活性を示した。興味あることに、[F^<21>]bigET-1(18-34)(Ki=20.6μM)は競合阻害、[A^<31>]bigET-1(18-34)(Ki=35.6μM)は非競合阻害を示し、ECE-1がbigET-1のP1部位とC末部位を異なった様式で認識する可能性が示唆された。
2.ECE-1の細胞内局在とbigET-1の細胞内変換部位の同定:ECE-1の阻害剤のデザイン上、阻害剤が細胞内に入る必要性等、bigET-1の細胞内変換部位の同定は重要である。この点に関しては従来、一定の見解が得られていなかったが、本研究で、生細胞で観察可能なGreen Fluorescence Protein(GFP)とECE-1のキメラ蛋白の発現系を構築、生きた細胞でその局在と活性を観察することにより、bigET-1の変換部位が細胞内であることを突き止めた。
3.ヒトECE-1 cDNAのmutagenesis法による構造・活性相関の検索:ECE-1/NEP/Kell familyに共通のC末触媒部位の変異で活性が消失するとは当然であり、既に報告されているが、さらにECE-1独自の活性に重要な構造を同定した。この点に関しては最も重要な知見であり、さらに解析中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 高柳 涼一: "エンドセリン変換酵素の臨床的意義" ホルモンと臨床. 44巻. 50-60 (1996)

  • [文献書誌] 高柳 涼一: "エンドセリン変換酵素" 内分泌・糖尿病科. 4. 61-67 (1997)

  • [文献書誌] Liu,W.et al.: "[Phe^<21>]big endothelin-1(18-34)and[Ala^<31>]big endothelin-1(18-34)inhibit the human endothelin-converting enzyme-1(ECE-1)expressed in CHO-Kl cells in a different fashion." FEBS Letters. 420. 103-106 (1997)

  • [文献書誌] Takayanagi R.et al.: "Big endothelin analogues eith inhibitory activity of endothelin-convertihg enzyme." J.Cardiovasc.Pharmancol.31. 62-63 (1998)

  • [文献書誌] Takayanagi R.et al.: "Molecular Biology of Endothelin-Converting Enzyme(ECE)." R.F.Highsmith,Humana Press Inc.,Totowa,NJ,USA, 18 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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