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1996 年度 実績報告書

生体内の動脈硬化症防御因子に関する研究:ACAT活性のヘパリノイドによる抑制機序

研究課題

研究課題/領域番号 08671168
研究種目

基盤研究(C)

研究機関九州大学

研究代表者

吉成 元孝  九州大学, 医学部, 講師 (00191627)

キーワードACAT / マクロファージ / ヘパリン / アセチルLPL / 動脈硬化症 / 糖尿病
研究概要

生体内の動脈硬化症防御因子に関して、ACAT活性のヘパリノイドによる抑制機序を検討した。
ラット腹腔内よりチオグリコレート刺激下にマクロファージを得て、10%FCS添加MEM培地で培養した。アセチルLDL100μg/mlを加えてコレステロールの集積とエステル化に及ぼすヘパリン10-100μg/mlの効果を観察したところ、用量反応性にコレステロールのエステル化が抑制された。マクロファージのACAT活性を測定すると、ヘパリン存在下の培養で著明に低下していた。ヘパリンによるACAT阻害は糖尿病ラットでは著しく減弱していることが認められたので、ヘパリンの作用機序を詳細に検討するために、プロスタグランジンとの関係を検討した。PGI2はコレステロールエステル水解酵素活性を上昇させることが知られている。糖尿病ラットでは、マクロファージのPGI2の安定代謝産物である6keto-PGF1αが低下し、ヘパリンによるコレステロールのエステル化抑制作用が減弱した。トロンボキサンの合成をオザグレルNaで阻害して、コレステロールの再エステル化をみると、対照ラットのマクロファージでは不変であったが、糖尿病ラットでは著しく抑制された。アセチルサリチル酸でサイクロオキシゲナーゼを阻害すると、コレステロールの再エステル化は対照ラットで有意に減少し、糖尿病ラットでは逆に、著しいエステル化の促進が認められた。ヘパリンのコレステロール再エステル化抑制作用は対照ラットと糖尿病ラットの両者でアセチルサリチル酸存在下に増強された。以上より、ヘパリンはプロスタグランジン系とは独立してマクロファージのACAT活性を抑制すると考えられた。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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