研究課題/領域番号 |
08671181
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
東島 利夫 順天堂大学, 医学部, 講師 (70053048)
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研究分担者 |
河盛 隆造 順天堂大学, 医学部, 教授 (00116021)
山本 尚三 徳島大学, 医学部, 教授 (50025607)
有坂 知之 順天堂大学, 医学部, 助手 (30266043)
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キーワード | 血小板 / 12-lipoxygenase / 糖尿病 / 糖尿病血管合併症 / 糖尿病性腎症 |
研究概要 |
[目的]本研究は血小板12-LOX活性異常が糖尿病性腎症の危険因子であることを明らかにすることにある。その第一stepとして、本年度は糖尿病における血小板12-LOX異常の存在を検索した。 [方法]糖尿病患者20例と性、年齢、BMIを一致させた健常者20例の血小板12-LOXを測定した。血小板試料:多血小板血漿を1300×gで遠心し得られたpelletを洗浄・遠心・sonicationし後、超遠心し得られたcytosol fractionを試料とした。12-LOX活性の測定:[1-^<14>C]arachidonateを血小板cytosol mixtureに加えincubation後、反応を終了させた後に遠心し有機相をsilica gelにapply・展開後radioacting scanningによりproductを検出測定した。血小板cytosol proteinの測定:Bradfordの方法に準じてBio-Rad Protein Assayにより行った。12-LOXのenzyme-linked immunosorbent assay:血小板12-LOX酵素量は、12-LOX monoclonal抗体(HPLO-3)を用いてperoxidase-linked immunoassay(sandwich type)にて測定した。 [成績]1.血小板cytosol 12-LOX活性(nmol/10min/mg protein):糖尿病群:19.6【+-】9.7、健常群:37.4【+-】17.8であり、糖尿病群は健常群に比べ有意な低下を認めた(p<0.006)。2.血小板酵素蛋白量(μg enzyme/mg protein):糖尿病群:4.2【+-】0.9、健常群:4.3【+-】1.1であり、糖尿病群と健常群の間に有意差を認めなかった。3.Specific enzyme activity(nmol/10min/μg enzyme):糖尿病群:4.6【+-】1.7、健常群:8.5【+-】2.8であり、糖尿病群は健常群に比べ有意な低下を認めた(p<0.0007)。 [結論]糖尿病群の血小板12-LOX活性は性、年齢、BMIを一致させた健常群に比べ有意な低下を認め、糖尿病における12-LOX異常の存在が明らかにされた。
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