研究課題/領域番号 |
08671198
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
藤平 隆司 産業医科大学, 医学部, 講師 (40159124)
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研究分担者 |
江藤 澄哉 産業医科大学, 医学部, 教授 (90010347)
田中 良哉 産業医科大学, 医学部, 講師 (30248562)
是木 一也 産業医科大学, 医学部, 講師 (60183430)
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キーワード | p53 / 甲状腺癌 / 遺伝子導入 / 転写後調節 / 細胞傷害性T細胞 / Class II主要組織適合抗原 |
研究概要 |
1.p53蛋白を発現していない未分化甲状腺癌細胞株(FRO)或いはFROに正常p53遺伝子を導入後neomycinで選択しp53蛋白の再発現を確認したstable transfectant(1F3)を用い、RNA合成阻害薬である5,6-dichlorobenzimidazole riboside(DRB)を添加して培養した後northern blottingを行い比較検討した。DRB処理によりMHC classII抗原α鎖mRNAは1F3でFROに比べ急速に又著明に減少し、MHC classII抗原mRNAのturn overはFROでは著明に遅延していたが、これはFROではMHC classII抗原mRNAから蛋白への翻訳効率が低下している事が一因と考えられた。 2.一定時間でのMHC classII抗原蛋白合成をimmunoprecipitationで検討したところ、FROに比べ1F3で合成が亢進しており、FROではMHC classII抗原mRNAから蛋白への翻訳効率が低下している事が確認された。蛋白合成阻害薬であるcycloheximideを添加して培養後同様に行ったimmunoprecipitationの結果から、合成されたMHC classII抗原蛋白のturn overはFROで1F3に比し遅れていた。 3.以上より、p53蛋白を発現していない未分化甲状腺癌細胞株FROではMHC classII抗原mRNAから蛋白への転写後調節の段階で障害が惹起され、結果としてMHC classII抗原蛋白の発現が減弱している事が解明された。
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