研究課題/領域番号 |
08671199
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研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
秋田 朗子 (財)東京都臨床医学総合研究所, 遺伝情報研究部門, 研究員 (40124432)
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研究分担者 |
大野 茂男 横浜市立大, 医学部, 教授 (10142027)
矢島 由紀子 (財)東京都臨床医学総合研究所, 遺伝情報研究部門, 研究員 (60090114)
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キーワード | プロテインキナーゼC / ホルモン / 分泌 / ホルボールエステル / 細胞内情報伝達 / 脳下垂体培養細胞 / リン酸化 / thyrotropin-releasing hormone |
研究概要 |
プロテインキナーゼC(PKC)は、種々のペプチドホルモンや神経伝達物質の分泌制御に深く関与している蛋白質リン酸化酵素である。しかし、分泌小胞の輸送や開口放出に関する研究は急速に進展しつつあるものの、PKCの作用点とその役割については依然不明のままである。我々は既に、ラット脳下垂体由来のGH細胞においてTRH刺激によるイノシトールリン脂質(PI)代謝系を介するプロラクチン(PRL)分泌過程に、PKCのε分子種が必須の役割を果たしていることを証明した。本研究では、このGH細胞をホルモン分泌のモデル系として用い、調節性分泌におけるPKC分子の制御機構について解明することを目的とする。 平成9年度は、PKC活性化以降を明らかにするためにεの基質を探索した。細胞のTRH又はTPA刺激で複数の蛋白質のリン酸化が上昇したが、この上昇はPKC抑制剤で阻害された。更に、cDNA導入によってPKC εを過剰発現させた細胞株を樹立して検討したところ、上記の蛋白質の内、80kDと52kDの蛋白質のリン酸化が末刺激でも亢進し、TRH刺激で更に上昇した。これらの結果は、80kDと52kDの蛋白質がPKC εの特異的基質であることを示唆する。分子量、等電点、酸および熱耐性などの性質は、80kD蛋白質がMARCKSであることを示す。MARCKSは、細胞骨格のアクチン繊維構造を束ねて細胞膜に結合させるが、リン酸化を受けるとその作用が弱まることが知られており、実際、TRH刺激により、アクチンから遊離したリン酸化MARCKSが細胞質に増大した。εによりMARCKSのリン酸化が細胞骨格の再編集を引き起こし、ホルモン分泌顆粒が細胞膜の開口放出の場に移行し易くしていると考えられる。50kD蛋白質が何であるかについては不明であり、現在同定を試みている。
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