本研究の目的は好塩基球に存在するペルオキシダーゼの性状を検索し、その機能を明らかにすることである。多能性幹細胞株であるKU812はIL3添加で好塩基球に分化する。この系を用いて次の点が明らかになった。 1)光学顕微鏡でペルオキシダーゼ陽性である。 2)RT-PCRで検索するとMPO(myeloperoxidase)は陰性であるが、EPO (eosinophil peroxidase)は陽性である。 3)蛍光顕微鏡で検索するとEPOが陽性であるが、MPOは陰性である。 4)電子顕微鏡でペルオキダーゼ陽性顆粒は好塩基球類似顆粒である。 5)EPOとMPOの共通塩基組成をもとに新たなperoxidaseが存在するかどうか探索したが、現時点ではみつかっていない。 好塩基球ペルオキシダーゼは好酸球のペルオキシダーゼと抗原性を同一にしていることが明らかになった。今後さらに研究を進める。
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