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1996 年度 実績報告書

スーパー抗原関連腎炎におけるIgA抗体の産生機序についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 08671271
研究機関筑波大学

研究代表者

小山 哲夫  筑波大学, 臨床医学系, 教授 (80111384)

研究分担者 小林 正貴  筑波大学, 臨床医学系, 講師 (10195810)
キーワードMRSA / TCRVβ / T cell activation / Superantigen / Super antigen-dilated glond culonephritis / Cytokine / staphylococcal enterotoxin
研究概要

我々はMRSA感染後、T細胞の広範な活性化とIgG-IgAのpolyclonal activationを来し、糸球体にIgA,IgG,C3の沈着を伴う新しい腎炎を報告した(KI,1995)。本腎炎は米国腎臓学会でCPCに取り上げられ、その存在が確認された(ANS,1995)。また1996年にNKFの招請講演を行った。
本腎炎では活性化T細胞が異常に出現することから、MRSA由来のエンテロトキシン(SE)の関与を推測し、3 color FACSにて、TCRVβ陽性細胞のサブセットを検討したところ、外来性スーパー抗原(SE)がによる活性化の指標とされるTCRVβ^+細胞の増加が顕著であり、また病勢とこのTCRVβ+細胞の推移が相関した。本腎炎患者に認められるリンパ球のsubsetの異常は外来性スーパー抗原とリンパ球活性化機序についてのin vitroの研究にて報告されているごとく,単にCD4細胞のみならずCD8細胞の著明な活性化,またmemory T細胞の活性化も認められることより,広範な免疫異常が生じているものと考えられる.
本年度はさらにこの現象を解析するためにin vitroの系を用いて解析した.
1.正常人末梢リンパ球に各種SEsを加えて培養するとSEに特異的に異なったTCRVβ^+細胞が数日で著増した.
2.TCRVβ^+メモリー細胞が数日で著増した.
3.メモリーIgA-,IgG-,IgM-bearing T cellsが有意に増加した.
4.サイトカインプロフィールではTh1サイトカインであるIL-2が初期に著増し,遅れてTh2サイトカインであるIL-10が著増し,明らかにTh2優位になった.これらin vivoの現象がin vitroで明確に説明された。特に、本腎炎にしばしば検出されたSE-C添加時のT細胞活性化状態並びにサイトカインプロフィールと一致していた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 小山哲夫,小林正貴: "スーパー抗原と糸球体腎炎" 日本内科学会雑誌. 86(4). (1997)

  • [文献書誌] 小林正貴,小山哲夫: "スーパー抗原関連腎炎" カレントテラピー. 15(1). (1996)

  • [文献書誌] Koyama A,Kobayashi M: "Infections in kidney disease : A new type of post-infectious GN : The role of superantigens (Symposium)" 46th Annual Meeting of National Kidney Foundation,New Orleans. (1996)

  • [文献書誌] Kobayashi M,et al: "Lymphocyte subset in glomerulonephritis associated with MRSA infection" 29th Annual Meeting of the American Society of Nephrology,New Orleans. (1996)

  • [文献書誌] 楊景堯,他8名: "IgA関連腎炎におけるサイトカインの関与" 第19回IgA腎症研究会,東京. (1996)

  • [文献書誌] 楊景堯,他9名: "スーパー抗原関連腎炎におけるリンパ球サブセットの検討" 第39回日本腎臓学会総会,岡山. (1996)

  • [文献書誌] 小林正貴,小山哲夫: "スーパー抗原関連腎炎" Annual Review 腎臓 1996 中外医学社, 9 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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