皮質部集合尿細管(CCD)、太いヘンレの上行脚(TAL)での基底膜側、管腔側のバゾプレシン(AVP)、プロスタグランディンE2(PGE2)の相互作用の検討 ウサギCCDにおける管腔側と基底膜側のPGE2の水透過性亢進作用が相加的であるか、また基底膜側AVPによる水透過性亢進を管腔側PGE2が促進するかどうかを検討したが、いずれも誤差範囲の透過性亢進鹿認めず、生理的重要性も乏しいと思われた。 またウサギTALでの管腔側のAVP及びPGE2投与では結局、経上皮電位(Vt)に再現性のある明瞭な変化が得られなかった。 集合尿細管基底膜側、管腔側のドパミン作用 H8年の実験計画で記載した如く管腔側作用のある他のホルモンの検索を行い、ドパミン(DA)が基底膜側はDA-2型受容体、管腔側からはDA-1型受容体とそれぞれ異なった受容体を介してVtを脱分極させ、また基底膜側DAがNa再吸収を抑制する事を見いだし、現在論文作成中である。 管腔側ホルモンによる尿細管上皮細胞の膜流動性の変化の測定 Pyrene-cholesterolのdimer/monomerの蛍光強度比(Excimer/Monomer ratio)を測定するためのフィルターが入手困難で特注となったため大幅に遅れ、昨年秋よりようやく測定系のセッティングをはじめ、培養細胞を用いて至適実験条件を検索中であり、まだ本実験に入っていない。
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