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1996 年度 実績報告書

活性酸素のよる近位直尿細管細胞障害の発生機序とその予防

研究課題

研究課題/領域番号 08671295
研究種目

基盤研究(C)

研究機関自治医科大学

研究代表者

田部井 薫  自治医科大学, 医学部, 講師 (90155234)

研究分担者 古屋 裕章  自治医科大学, 医学部, 助手 (40240981)
キーワードシスプラチン / アミノ酸 / 微小灌流法 / 集合尿細管 / 腎毒性 / Na channel / K channel / グリシン
研究概要

本年は、薬剤による腎毒性について、皮質部集合尿細管(CCD)を用いて実験した。本題の近位尿細管でなくCCDを選択した理由は、薬剤としてcis-Diamminedichloroplatinum II(CDDP;シスプラチン)を選択したためである。CDDPの尿細管への影響を検討した報告がAllenらによりなされており(Kidney Int 27:842,1985)、これがin vivo microperfusion法で遠位尿細管において施行されていたためである。
その結果、ウサギCCDにおいて、管腔側よりCDDPを加えると、10^<-5>Mから10^<-3>Mにかけて用量依存性に管腔内電位(V_T)を過分極し、Allenらの報告と合致した。管腔内に10^<-4>M Amiloride(Na channel blocker)、あるいは浴液に10^<-5>M ouabain(Na-K ATPase inhibitor)を投与するとV_Tは脱分極し、ここにCDDP10^<-3>を投与してもV_T変化は起こらなかった。管腔内に2mM BaCl_2(K channel blocker)を投与するとV_Tは過分極するが、ここにCDDP 10^<-3>Mを投与してもV_T変化は起こらなかった。そこで、^<22>Naを用いてNa fluxを測定したところ、CDDP 10^<-3>MはNaの再吸収量は変化させなかった。一方、K分泌量は著明に減少させた。このことは、Allenらが直接Na再吸収量を測定せずに結論を下したことが誤りで、実際はCDDPは管腔側からはK channelを抑制して、結果的にV_Tを過分極させているためであることが明かとなった(Kidney International.under submission)。
その後の実験では、灌流液にGlycineなどのアミノ酸を加えないで同様の実験を行うと、CDDPはK channelを抑制すると同時にNa channleを抑制することも明らかとなった。このことは、Glycineなどのアミノ酸がCDDPによるNa channel抑制作用を抑制していることを示唆している。現在、この点について検討中である。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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