研究概要 |
平成8年度における研究では、SD-ラットの妊娠第7日、第14日、出生日、生後3日、生後7日及び生後14日のそれぞれの時点で腎及び脳を採取し、抽出したmRNAから一本鎖cDNAを作成してPCR反応のtemplateとした。次にMIWCの第2エクソンに相当する部分を含む250bp程度の領域に相当するprimer(A)と欠落部分の前後併せて250bp程度の領域に相当するprimer(B)を作成し、それぞれnon-splicing form及びsplicing formのPCR反応を行った。PCRは半定量的な解析を可能とするPCR-ELISA法によって行い、MIWC(AQP4)遺伝子の発現時期及び発現量の変化を検討した。現在得られている結果からは、MIWCは他の水チャネル、すなわちAQP1,2,3等とは異なった臓器形成過程における遺伝子発現パターンを示し、出生前の発現量は非常に微量であるものの出生と同時に発現量が増大してくる。splicing formはnon-splicing formに遅れて発現が見られるようになる、その意義は不明である。今後発現部位の検討のためin situ hybridization法による検討を行う予定である。
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