研究課題/領域番号 |
08671307
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 克己 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (90056771)
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研究分担者 |
角田 由理 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00256512)
服部 元史 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50192274)
吉岡 俊正 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (60146438)
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キーワード | 小児腎疾患 / 慢性腎炎 / 紫斑病性腎炎 / IgA腎症 / 蛋白尿 / 遺伝子多型 / アンギオテンシン変換酵素 |
研究概要 |
小児紫斑病性腎炎(HSPN)の一部に蛋白尿の遷延する症例を認めるが、その原因は明らかではない。病理学的に類似するIgA腎症の成人例では慢性進行性病態とアンギオテンシン変換酵素(ACE)遺伝子第16イントロンの欠失型遺伝子多型の相関を認める。今回2年以上経過を追っているHSPN24例(発症時4-13歳)および対照として小児IgA腎症53例(発症時4-15歳)についてACE遺伝子多型性[挿入型(II)、欠失型(DD)およびID型]と臨床経過の相関を検討した。 ACE遺伝子表現型は患者末梢血より抽出したゲノムを過去の報告に従いPCR法で決定した。HSPN症例の21%(5例)にDD型を認めた。DD型の全例で蛋白尿(>0.5g/日)が2年間以上遷延していたが、II/ID型ではその頻度は26%であった。(カイ2乗検定によりII/ID型に対して有意差を認める)。その他の指標として:1)血尿の有無、2)高血圧の有無,3)腎組織で半月体を有する糸球体の出現頻度、4)腎機能低下(CCr<50ml/min/1.73M2)を発症後2年以内に認めた症例の頻度は、それぞれDDとII/ID型の間で有意差を認めなかった。一方、小児IgA腎症では9%(5例)にDD型を認めたが、II/ID型との間で蛋白尿の有無を含み臨床病理学的諸指標の有意差を認めなかった。 以上よりACE遺伝子DD型多型は小児HSPNで出現頻度が高く、また蛋白尿遷延化のリスクファクターであることが明らかとなった。急速進行型のHSPNおよび小児IgA腎症における遷延性蛋白尿とACE遺伝子多型性が関連しないことより、ACE遺伝子DD型表現型は小児HSPNが遷延する機序に関連すると思われる。
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