研究課題/領域番号 |
08671311
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
大澤 源吾 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00018368)
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研究分担者 |
玉井 仁 川崎医科大学, 医学部, 助手 (50227261)
佐々木 環 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30187124)
北野 裕一 川崎医科大学, 医学部, 講師 (60177855)
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キーワード | 糸球体上皮細胞 / Bowman嚢上皮細胞 / FGF2 / Dominant negative FGFR / WT1蛋白 / Osteopontin |
研究概要 |
1.FGF2と糸球体上皮細胞障害 糸球体上皮細胞が障害された後、Bowman嚢上皮細胞の増殖反応が観察され癒着病変が形成される。この病的反応にFGF2が関与することを明らかにし、糸球体上皮細胞をPuromycin(PAN)にて障害後FGF2を投与により蛋白尿の増加、糸球体上皮細胞障害の増強、Bowman嚢上皮細胞の増殖が観察され、中和抗体投与により蛋白尿の減少、癒着病変形成の抑制が観察された。 2.Dominant Negative(DN)FGF受容体発現によるメサンギウム細胞増殖の抑制 培養メサンギウム細胞増殖は、FGF2添加により増殖が観察される。FGF受容体1、2のKinase domainを取り除いたcDNAを作成し、培養メサンギウム細胞に発現させた。その発現をRT-PCRで確認した後、FGF2添加による増殖作用への影響を観察した。DNFGF受容体では増殖作用の抑制が観察された。 3.半月体形成とFGF2の役割 抗GBM抗体腎炎モデルにおいて、半月体形成細胞や、その周囲細胞の(Bowman嚢周囲)に、FGF2やその受容体のmRNAの発現が観察された。主に発現している細胞は、αSmooth mscule actin陽性の細胞であった。 4.糸球体上皮細胞障害とWT1蛋白の関連 正常糸球体上皮細胞は、核内にWT1蛋白の発現が観察される。糸球体上皮細胞をPuromycin(PAN)にて障害すると、多核上皮細胞が観察され、その細胞ではWT1蛋白の発現の減少が観察された。この背景には、WT1蛋白の細胞周期調節への関与を示唆している。 5.糸球体管外病変とOsteopontin(OP)の発現 半月体形成腎炎モデル、巣状糸球体硬化モデル、メサンギウム細胞増殖腎炎モデルにおいて、管外病変部に接着蛋白OSmRNAが観察され、その周辺部にマクロファージや単球の浸潤が観察され、OSの糸球体荒廃過程細胞浸潤への関与が示唆された。
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