研究課題/領域番号 |
08671317
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
高田 哲 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (10216658)
|
研究分担者 |
常石 秀市 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (10271040)
米谷 昌彦 神戸大学, 医学部, 助手 (60221678)
上谷 良行 神戸大学, 医学部, 助教授 (40168620)
|
キーワード | 新生児 / 低酸素性虚血性脳障害 / Heme Oxygenase-1 |
研究概要 |
平成8年度は、新生児期のラットに対する低酸素性虚血負荷がラット脳内におけるHO-1蛋白の発現に及ぼす影響を主として免疫組織法によって検討した。 1、HO-1蛋白の発現時期、発現部位に関する検討 生後7日目の新生仔ラット68匹を用いて新生児仮死モデル(Rice's model)を作成し、負荷を行わなかった同日齢の新生仔ラット38匹を対照とした。負荷後、経時的にタット大脳を摘出し、抗ラットHO-1抗体を用いて免疫組織染色を行ったところ、負荷群の頚動脈結索側にのみHO-1蛋白の発現が認められた。大脳皮質部、海馬CA1領域における染色性が最も強く、白質部にもびまん性の発現が認められる個体も存在した。HO-1蛋白の発現は負荷後12時間頃より認められ、負荷後36時間後に最も顕著に認められた。 2,HO-1蛋白遺伝子の発現に関する検討 in situ hybridizationによってHO-1蛋白遺伝子の発現部位を検討した。HO-1蛋白の発現時期よりも早期(負荷6時間後)から発現が認められた。今後、症例数を増やして発現部位、細胞の種類をより明確にするとともに、定量的な手法を用いて時間の経過に伴う発現量の推移について検討する予定である。 虚血後に生じる細胞死には様々な分子機構が関与している。今後の研究を通じてこれらの機構における新生児と成人の差を明らかにし、新生児仮死の新たな治療法を見い出したい。
|