研究課題/領域番号 |
08671328
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大内 憲明 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (90203710)
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研究分担者 |
原田 雄功 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (90292317)
里見 進 東北大学, 医学部, 教授 (00154120)
石橋 忠司 東北大学, 医学部, 講師 (40151401)
山田 章吾 東北大学, 医学部, 教授 (60158194)
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キーワード | 乳房温存療法 / 3次元MRI画像 / 乳癌進展巣 |
研究概要 |
【目的】乳房温存療法では術前に乳癌の進展を明らかにすることが重要である。本研究では3次元MRI画像が乳癌進展巣をどの程度描出できるかを、切除標本の全割病理所見と対比し、評価することを目的とした。 【対象と方法】乳癌と診断された34症例に対し術前にMRIを施行し、MRI上で腫瘍の性状と拡がりを3次元的に解析した。手術後に摘出乳房を5mm幅で全割して病理検索し癌マップを作成、MRI所見と対比させた。 【結果】MRIにおける撮像パターンは限局腫瘤型、区域進展型、ランダム進展型の3型に分類できた。限局腫瘤型は20例で、このうち18例では病理マップ上も腫瘍は限局ないし2cm以内に存在していたが、2例では4cmに渡ってDCISの進展が認められた。区域進展型は11例で、区域解剖に沿ってびまん性に淡染する部分は広範に進展するDCISであることが確認された。また濃い小結節状の染まりは浸潤癌ないし腫瘤形成性のDCISであった。ランダム進展型は3例で、腫瘤が細長く造影され、病理マップで癌の浸潤と確認された。進展型の14例中6例では、マンモグラフィおよび超音波で腫瘍の進展範囲が病理像の半分程度に過少評価されていたが、MRIでは癌の進展がより正確に描出された。 【考察】3次元MRIは、特に浸潤癌や広範な乳管内癌を感度良く描出しうる有用なmodalityである。したがって、3次元MRIは乳房温存療法の適応決定に重要と考える。しかし、限局腫瘤型の約10%で主腫瘍から乳頭方向へ高度の乳管内進展をMRIで描出できず、さらに検討すべき課題と考えられる。
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