研究概要 |
平成8年度は研究計画に沿って以下の検討を行った。 1.マウス,ラットおよびブタ膵よりの効率的ラ島分離法の検討 マウス,ラット膵では総胆管よりカニュレーションを行い、コラゲナーゼ液による膵膨化後消化することにより効率的分離,収集が可能であった。ブタ膵では我々の開発した2段階消化法、COBE2991血球分離装置を使用し効率的消化、収集が達成された。 2.ラット膵ラ島胸腺内移植実験 ラット膵ラ島を糖尿病ラットに同種胸腺内移植した。移植時にAnti-rat lymphocyte serum(兎にて作製)を腹腔内投与した。持続的免疫抑制なしにて生着延長がみられたが、現在詳細なdataを作製中である。さらに免疫学的誘導の有無を検索中である。 3.ラット,ブタラ島への遺伝子導入の試み 胸腺内に移植する前にラ島修飾を行う目的にてPolyamine transfection reagentsを用いたリポソーム法による遺伝子導入の基礎実験を行った。導入VectorはpZeoSV2/lacZとし,導入の判定は5-bromo-4-chloro-indolyl-D-galactopyranoside (X-gal)染色にて行った。ラットでは効率的遺伝子導入が可能であったが、ブタでは不成功に終わったため、現在条件の再設定を施行中である。
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