研究課題/領域番号 |
08671339
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小倉 信 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50185568)
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研究分担者 |
古川 聡 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
韓 一秀 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
深柄 和彦 東京大学, 医学部・附属病院, 医員 (70323590)
井上 知巳 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
斎藤 英昭 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (30134555)
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キーワード | 成長ホルモン / IGF-I / 外科侵襲 / 免疫細胞 / 単球 / 貧食能 / 活性酸素 / HLA-DR |
研究概要 |
本年度は、外科侵襲時の宿主免疫能改善方法の確立に向けて、RPA法により免疫担当細胞(特に単球/macrophage)のInsulin-like growth factor I(IGF-I)autocorine-paracrineと侵襲の程度、免疫能との関運を明らかにすることを当初の目的とした。しかし免疫担当細胞の内因性IGF-I産生の検出において顕著な成果が得られなかったため、IGF-I及びIGF-Iを主要なメディエータとする成長ホルモン(GH)投与による外科患者周術期単球機能のmudulationを試みた。【方法】 外科患者の周術期(術前、術後第1,3,7病日)に採取した全血より血漿を除去し、培養液(対照)またはGH(100ng/mL)、IGF-I(500ng/mL)で4時間培養した。その後、以下の単球機能を検討した。1)貧食能、2)活性酸素(ROI)産生能、3)細胞内TNF-α産生能、4)HLA・DR・CD14・TNFreceptor(TNFR)発現能。【結果】1)IGF-Iは術後単球の貧食能を増した。2)GHは周術期単球のROI産生能を増した。3)周術期単球細胞内TNFα産生能は著明な変動を来さなかったが、IGF-I群は対照群に比べ高値であった。4)単球表面抗原のうちHLA-DR発現能は術後著明に低下した。しかしIGF-Iは対照に比べ周術期HLA-DR発現を、GHも第3病日のHLA-DR発現を増加させた。CD14発現能は群間で著明な差はなかった。IGF-Iは術後TNFR発現を増した。【結語】GHは術後単球のROI産生能を増し、IGF-Iは周術期単球の貧食能・TNF・α産生能・HLA-DR発現能・TNFR発現能を増強した。GH・IGF-Iの周術期投与は単球機能からみた生体防御能を高め、合併症の予防・治療に有用と考えられる。
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