研究概要 |
1.ラット消化管からの水チャネルの発現 ラット胃、小腸、大腸mRNAより、水チャネルdegenerate primerを用いRT-PCR法によりhomology cloningを行い、3種類の水チャネルclone(AQP1,3,4)が得られた。各臓器の局在をRNase protection assay法とIn situ Hybridization法により検討した。AQP1、AQP3は食道から遠位結腸まで広範に分布していたが、AQP4は胃下部および小腸中部から回腸、AQP8は空腸と結腸に限局して存在した。 2.ラット脾、肝からの新しい水チャネルのクローニング ラット脾mRNAより新しい水チャネルcloneを得た。RNase protection assay法により肝にも存在することが判明、ラット肝Libraryより会長のcDNAをクローニングし、シークエンスを決定し、GenbankにAQP8として登録した。アフリカツメガエル卵細胞を用いた発現系により水チャネルとしての機能を確認した。さらに、Nothern blot、RNase protection assay法によりラット肝、脾のほか大腸、唾液腺に存在することを明らかにした。 3.ラットAQP8に対する抗体作製 ラットAQP8のC末端(10ペプチド)に対する抗体作製は、titerが低いため、Expression vectorにAQP8の一部をcodeするcDNAを組み込み、recombinant peptideを作り精製した。これを用い、ウサギで抗体を作製中である。 4.ラット小腸大量切除モデルにおける水チャネルmRNAの発現 ラット小腸大量切除モデルを作製し、コントロール(空腸の切離・再吻合)群、正常ラットと消化管各部位での4種類の水チャネル(AQP1,3,4,8)のmRNAの発現量の変化についてRNase protection assay法を用いて比較した。小腸大量切除術後では空腸のAQP8の発現が一時的に増加する傾向が認められた。
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