研究概要 |
1.hIL-12によるLAK細胞の誘導:IL-2は、0,10,100,500U/ml、IL-12は、0,10,50,100U/mlのそれぞれ4段階これらの組み合わせで16通りの培地を作製し、健常人PBMC(末梢血単核球)をこれらの培地で3日間培養してLAK細胞を誘導し、Daudi細胞を標的として^<51>Cr release assayを施行した。その結果、ある程度の細胞障害活性を得るのに、IL-2は100U/ml以上、IL-12は10U/ml以上が必要でIL-2:500U/ml,IL-12:10U/mlで28.7%と最も高いLAK活性が得られた。次にIL-2は100,500U/ml、IL-12は10,50,100U/mlの6通りの組み合わせの培地で固相化抗CD3抗体による刺激を加え1週間培養した。その結果、LAK活性は抗CD3抗体を使わない場合に比べ数%低下したが、細胞数は20倍から90倍に増加した。 2.hIL-12によるCTL細胞の誘導 以上の結果をもとに、健常人(HLA:A1101/3101)PBMCをIL-2:500U/ml,IL-12:10U/ml添加培地で抗CD3抗体刺激下で培養を継続しMKN28(HLA:A3101/3101)あるいはSugano(HLA:0207/3101)株と共に1週間に1回混合培養し2サイクル目からはγ線照射PBMCによる刺激を追加し、CTLの誘導を試みている。しかし現状では3週目を過ぎた頃より細胞数の減少がみられ、更なる対策を検討中である。 3.LAK療法臨床例 大腸癌肝転移の切除不能症例(71歳、女性)に対し、患者PBMCより誘導したLAK細胞を肝動注リザーバーから10日毎に注入し抗腫瘍効果を観察中である。 平成10年度の展望 末梢血よりhGM-CSF,hIL-4によりdendritic cell(DC)を誘導し、これに腫瘍細胞あるいは凍結融解した腫瘍細胞をパルスしてPBMCと混合培養しCTL誘導を試みる。
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