研究課題/領域番号 |
08671354
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
今井 常夫 名古屋大学, 医学部, 助手 (80252245)
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研究分担者 |
高橋 雅英 名古屋大学, 医学部, 教授 (40183446)
舟橋 啓臣 名古屋大学, 医学部, 講師 (50135357)
高木 弘 名古屋大学, 医学部, 教授 (70154755)
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キーワード | ret proto-oncogene / MEN2A / MEN2B / SHC / チロシンキナーゼ |
研究概要 |
●変異Ret蛋白細胞内シグナル伝達に関与する下流因子の同定 MEN2A・2B型の変異を導入したret遺伝子をNIH3T3細胞に発現されると、変異Ret蛋白は活性化され細胞のトランスフォームを引き起こす。我々はレセプター型チロシンキナーゼのシグナル伝達に重要な役割を担っていることが知られている、Ras-MAPキナーゼ系のアダプター蛋白であるShcが、変異Ret蛋白と結合していることを示した。さらにShcはリン酸化チロシン残基を認識するPTB,SH2の2つのドメインを有するが、どちらのドメインが変異Ret蛋白と結合するのかを、GST融合蛋白を用い、in vitro binding assayを行うことによって解析を行った。その結果、ShcはPTBドメインがMEN2A・2B型Ret蛋白と結合しうるが、SHドメインは結合しないことが判明した。またN末から1062番目のチロシン残基を含む領域がShcPTBドメインとの主たる結合領域と考えられているが、Shcはこの1062番目のチロシンに変異を持ったRet蛋白とは結合しなかった。同時にHA tagを付加したShc PTB及びSH2ペプチドを作製し、これをMEN2A型変異を持ったret遺伝子と、NIH3T3 cellにco-transfectしたところ、Shc PTBにおいてトランスフォーミング活性の低下を確認した。これらの結果からShc PTBドメインはMEN2A・2B型Ret蛋白からのシグナル伝達に関与していることが示唆された。今後HA tagを付加したShc PTB及びSH2ペプチドをMEN2A・2B型Ret蛋白を発現している細胞系に導入してvivoでの結合も確認する予定である。
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