研究課題/領域番号 |
08671362
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
左近 賢人 大阪大学, 医学部, 講師 (40170659)
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研究分担者 |
三好 秀幸 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
大里 浩樹 大阪大学, 医学部, 助手 (10273682)
梅下 浩司 大阪大学, 医学部, 助手 (60252649)
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キーワード | Calpain / 虚血再潅流障害 / 肝 |
研究概要 |
Ca2+依存性蛋白分解酵素(カルパイン)はCa2+により活性化され、細胞骨格蛋白(タリンなど)を分解することにより虚血再潅流による非可逆的細胞傷害に関与する。カルパインが活性化されることは虚血再潅流による細胞内Ca2+濃度の上昇を示唆している。そこで肝悪性腫瘍患者においてインフォームドコンセント下、肝切除に伴う肝血流遮断時に肝生検を施行し、カルパインの活性化を検討し、肝の虚血再潅流傷害における関与と細胞傷害機構からみた許容肝虚血時間を検討した。本年度得られた知見は以下の如くである。 a)ウエスターンブロッチング法にて肝炎肝硬変非合併(正常肝組織)においては肝血流遮断が10分を越えないとカルパインの決性化が見られなかったが、15分では血流再開後に活性化が認められた。22分の血流遮断では血流再開前に活性化が認められた。 b)活性型及び非活性型カルパインを特異的に認識する抗体を用いた免疫染色により肝細胞におけるカルパインの活性化が確認された。つまり、ウエスターンブロチング法による結果に一致して虚血前には非活性型が、血流再開後に活性型が認められた(15分血流遮断モデル)。非活性型は細胞質全体に、活性型は細胞膜近傍に認められた。10分の血流遮断では血流再開後も血流遮断前とそれらの染色性に差異を認めず、非活性型のみ染色された。22分では細胞質全体(ミトコンドリア近傍)に活性化が認められた。結論:ヒト肝における虚血再潅流傷害にカルパインが関与していることが考えられ、カルパインの活性化からみた許容肝温阻血時間は10分であった。
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