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1997 年度 実績報告書

大腸癌におけるODCの癌遺伝子としての役割-臨床応用をめざして-

研究課題

研究課題/領域番号 08671368
研究機関岡山大学

研究代表者

田中 紀章  岡山大学, 医学部, 教授 (10127566)

研究分担者 松原 長秀  岡山大学, 医学部・附属病院, 医員
清水 憲二  岡山大学, 医学部, 教授 (10037286)
キーワードColon cancer / ODC / qenetic instability / E2F-4 / MSH3
研究概要

分子生物学の発達により遺伝子変異による癌化や悪性化の仕組がわかってきた。現在までに2つの癌化機構が考えられている。前者は染色帯の不安定さを伴い幾つかの癌抑制遺伝子の変異が主体となり、比較的良く研究されている。後者は、いわゆる遺伝子不安定性を示すタイプで、DNA複製に伴うミスマッチ修復不全が原因となり、主として単純な繰り返し配列(microsatellite 遺伝子)の突然変異を伴うが、これに関与する癌関連遺伝子群はあまり良く分かっていない。
我々は癌特異的ODC(GTP添加で酵素活性が上昇し、生化学的動態が異なる)が後者の経路の大腸癌で特異的に発現していることにより、このODC遺伝子の変異について解析を重ねた。first intronのmicrosatellte領域にmutationが高率に起こっていることは確認したが、Sothern blot,PCR-SSCP,sequence等で蛋白コード領域のDNAには異変はなかった。
その過程で細胞周期に関与する遺伝子の一つで重要な転写活性因子E2F-4の蛋白コード領域にmicrosatelliteが存在することに気付いた。大腸癌手術症例の検討で、遺伝子不安定性を示す癌だけにE2F-4遺伝子の高率な突然変異を見いだし報告した。その後、胃癌や潰瘍性大腸炎に伴った腫瘍において同様の遺伝子変異を高率に見つけ、Cancer Res.に報告した。さらに、E2F-4の変異の前に、mutator遺伝子MSH3の突然変異が起こり、これが引き金になってE2F-4の変異を生じることがわかりCancer Res.に報告した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Ikeda M, Orimo H, Morivama H, et al.: "Close correlation between mutations of E2F-4 and hMSH3 henes in colorectal cancers with microsatellite instability" Cancer Res.58(in press). (1998)

  • [文献書誌] Souza RF, Yin J, Smolinski KN,et al.: "Frequent mutation of the E2F-4 cell cycle gene in primary human qastrointestinal tumors." Cancer Res.57. 2350-2353 (1997)

  • [文献書誌] Yoshitaka T, Matsubara N, Ikeda M,et al.: "Mutation of E2F-4 trinucleotide repeats in colorectal cancer with microsatellite instability" Biochem.Biophys.Res.Commun.227. 553-557 (1997)

  • [文献書誌] Matsubara N, Hietala OA, Gilmore SK,et al.: "Association between high levels of ornithine decarboxylase activity and favorable prognosis in human colorectal carcinoma." Clinical Cancer Research. 1. 665-671 (1995)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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