研究概要 |
1.腫瘍特異的T細胞クローンの樹立 胃癌患者癌性腹水より比重遠心法によってリンパ球を分離し、インターロイキン2存在下、固相化抗CD3抗体プレート上で培養増殖し、限界希釈法によって13個のクローンを得た。その内、自己胃癌細胞のみを障害するクローンが2個、自己および同種胃癌細胞を障害するクローンが1つであった。この3つのクローンの形質はすべてCD4であった。 2.腫瘍障害性T細胞クローンのT細胞受容体遺伝子の解析 上記腫瘍障害性T細胞クローンよりmRNAを抽出し、逆転写酵素を用いてcDNAを作成後、T細胞受容体(TCR)特異的プライマーを用いてポリメレースチェインリアクションを行い(RT-PCR)、TCR遺伝子を増幅した。それぞれのクローンはTCRVβ13.1, 3, 9と異なったTCRを発現していた。現在、PCR産物のクローニングが終了し、遺伝子配列を同定している。 以上、研究はほぼ予定どうり進行し、成果が収められている。
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