前年度のラット腎移植モデルにおける結果をもとに、犬腎移植モデルを用い、極細のチューブを腰動脈より挿入し先端を腎動脈に留置した。浮等圧ポンプを用いて免疫抑制剤FK506を0.1mg/kg/dayを7日間持続投与し、生着延長効果を検討した。コントロール群が平均9.4±2.1日で死亡するのに対してFK506の抹消静脈からの投与では平均13.4±3.4日と若干の生着延長を認めた。一方、腎動脈を介した局所選択的免疫抑制では平均19.4±4.2日とさらなる延長効果が認められ、大動物の系でも局所選択的免疫抑制の有効性が確認された。
|