研究課題/領域番号 |
08671398
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
中居 卓也 近畿大学, 医学部, 助手 (60227725)
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研究分担者 |
陣内 浩喜 近畿大学, 医学部, 助手 (50278678)
船井 貞往 近畿大学, 医学部, 助手 (00238651)
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キーワード | ラット小腸移植 / Chimerism / FK506 / GVHD / HVGD |
研究概要 |
新しい免疫抑制剤FK506を小腸移植へ臨床応用させるため、ラット小腸移植モデルを用いてFK506の至適な投与方法を検討し、またFK506の免疫抑制効果と長期生存モデルの局所免疫状態を各臓器の浸潤リンパ球から解析した.方法はFK506を種々の方法でラット小腸移植モデルに投与し、移植モデルの生存日数やHVGD、GVHDの発生を検討した。次に移植モデル各臓器のリンパ球を採取、Flow cytometory法を用いてCD4、CD8、Ia、CD25などのリンパ球サブセットをFK506投与の有無で比較検討した。また同時に長期生存モデルのリンパ球サブセットを同様の方法で測定し、その臓器の浸潤リンパ球を免疫組織化学染色法で染色、識別した。その結果FK506無投与のものは、全例拒絶反応によって2週間以内に死亡したが、FK506 0.2mg/kg/day・2week投与したものは、拒絶反応は認めなかった。しかしTemporary GVHDの発生を認めた。FK5060.5mg/kg/day・2week投与ではHVGD、GVHDも認めず全例150日以上の生存を得た。FK506投与の有無でリンパ球サブセットを比較したところFK506投与によってgraftのCD25(IL-2receptor)、CD8陽性細胞が減少していた。長期生存モデルのリンパ球サブセットはCD8陽性細胞がFK506無投与のものと同じレベルにあり、細胞自体に機能的抑制がかかわると考えられた。またgraftのリンパ球サブセット変化はFK506投与の有無にかかわらずバイエル板、腸間膜リンパ節で同じ傾向を示しGALT機構としての相互作用が示唆された。長期生存モデルの浸潤リンパ球を免疫染色した結果、graft内でrecipient細胞が、recipient内でdonor細胞が認められChimerismの成立が証明された。
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