研究課題/領域番号 |
08671405
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
福島 浩平 東北大学, 医学部, 助手 (20271900)
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研究分担者 |
舟山 裕士 東北大学, 医学部・付属病院, 講師 (50192315)
内藤 広郎 東北大学, 医学部・付属病院, 講師 (90180223)
佐々木 巌 東北大学, 医学部, 助教授 (60125557)
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キーワード | 炎症性腸疾患 / 潰瘍性大腸炎 / 上皮 / 分化 / サイトカイン / アルカリフォスファターゼ |
研究概要 |
本研究の仮説、すなわち 1腸上皮細胞はin vitroの系においてlipoopolysaccharide(LPS)サイトカインの刺激により、エネルギーを産生し、それに付随して細胞内で生じるsuperoxideに対する生体防御機構としてMangenase superoxide dismutase(Mn-SOD)遺伝子の誘導を伴う。 2、潰瘍性大腸炎上皮は分化の異常によりエネルギー産生能の低下が認められ、また、各種の外因性刺激に対しエネルギーを十分産生できないため正常な機能を維持できない。 を証明するため以下のごとく具体的研究過程を設定した。 1、細胞株を用いたエネルギー産生 2、細胞株を用いた上皮細胞分化マーカーの検討 3、分離上皮細胞を用いた検討 その結果、上皮細胞は 1、サイトカイン刺激により、ミトコンドリアでの酸化的リン酸化により実際にエネルギー基質であるATPを産生する。 2、サイトカイン刺激に随伴しておこるMnSOD遺伝子の発現は、必ずしも細胞内のエネルギー産生に付随する活性酵素の産生に対する生体防御反応として誘導されるわけではない。 3、in vitroの系における分化マーカーとしてアルカリフォスファターゼ活性は有用であるが、アイソザイムや細胞内分布は粘膜上皮と異なる。 4、炎症性腸疾患症例の分離上皮を用いた上皮細胞の分化、サイトカイン刺激とエネルギー産生の検討は、上皮分離過程のviabilityの点から困難であった。 以上のように、炎症性腸疾患における上皮細胞の分化およびエネルギー産生に直接アプローチするには至らなかったものの、それらの評価に不可欠である各種パラメーターの詳細な検討を行い、一定の成果をあげたものと判断される。
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