研究課題/領域番号 |
08671407
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
砂村 眞琴 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (10201584)
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研究分担者 |
小針 雅男 東北大学, 医学部, 講師 (30170369)
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キーワード | 膵ラ島移植 / ICAM-1 / LFA-1 / 抗IL-12抗体 / IL-12,p40遺伝子 / Th1 / Th2バランス / 血管新生 |
研究概要 |
1)マウス膵ラ島移植における抗ICAM-I/LFA-1抗体、抗IL-12抗体の効果を確認し、拒絶反応制御におけるTh1/Th2バランスの意義について検討した。ICRからC57BL/6の系でマウス膵ラ島移植をおおこなった。抗ICAM-1/LFA-1抗体、抗IL-12抗体の移植後短期間投与では有意なグラフト生着延長効果が見られた。特に前者では高率に長期生着が得られた。いずれにおいてもグラフト内サイトカインmRNAの検討から、Th1/Th2バランスの逆転が確認された。 2)次に、IL-12,p40遺伝子を線維芽細胞NIH3T3に導入し、ラ島と伴に腎被膜下へ移植した。現在まで技術的問題が解決せず、生着延長効果に関しては今後の実験継続が必要である。この問題の解決方法として、既にGFP遺伝子およびp40遺伝子を組み込んだアデノウイルスベクターを作製し、膵ラ島に対するアデノウイルスベクターを用いた直接的な遺伝子導入に取り組んでいる。 3)さらに、拒絶反応における血管内皮の役割に関しても新たな検討を開始した。マウスの背部に透明窓を作製し、同部に自家または同種のラ島を移植した。自家移植モデルでは3日目よりcapillary sproutを認め、6日目にはsprout間の交通が出現し、10日目には移植ラ島を取り巻く血管網が完成した。同種モデルでは血管網の形成は観察できなかった。今後、血管内皮に出現するOX40 ligandに対する抗体を用い、血管内皮の拒絶反応に果たす役割を明らかにしたい。
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