1997 年度実績報告書

門脈塞栓術後の肝再生のメカニズムと肝細胞増殖因子の肝再生に対する効果

研究課題

研究課題/領域番号	08671414
研究機関	東京大学
研究代表者	窪田敬一東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (70260388)
研究分担者	針原康東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (10189714)
キーワード	門脈枝塞栓術 / 肝細胞増殖因子
研究概要	本研究では、本手術前に門脈枝塞栓術を行い、その塞栓術前後の血中の肝細胞増殖因子(TGF-α)の推移を検討し、肝切除術や非肝切除術前後の推移と比較した。また、本手術の際、塞栓部と非塞栓部の肝組織を採取し、抗PCNA抗体による免疫組織染色を行い、肝細胞1000個当たりの陽性細胞数としてlabelingindex(L.1.)を算出し、DNA合成能を比較した。術前に門脈枝塞栓術を施行した3例の内訳は胆管癌1例、肝嚢胞腺癌1例、胆管細胞癌1例であった。また、非癌部肝組織は3例とも正常肝であった。門脈枝塞栓術は開腹下に回結腸静脈の枝を経由して行い、塞栓物質としてGelform Powder2gとAmikacin200mg,トロンビン1万単位を混合したものを用いた。血清TGF-αはELlSA法にて測定した,採血は塞栓前と1,2,3,5,7,14病日それ以降は症例により21病日まで採取された。塞栓前のTGF-αは5pg/m1未満は1例、15pg/m1以上は2例であり、3例のうち2例は塞栓後2峰性のピークを示し、最初のピークは第1病日から第2病日の間にあり、2番目のピークは第21病日にあった。残りの1例は1峰性のピークを示した。肝切除術を施行した6例の内訳は肝細胞癌5例、非定型抗酸菌症1例であり、非癌部肝組織は正常肝1例、慢性肝炎1例、肝硬変4例であった。塞栓前のTGF-αは5pg/m1未満は3例、15pg/ml以上は3例であり、6例とも2峰性のピークを示した。非肝切除術症例では術前後でTGF-αの変動はみられなかった。5症例でPCNA染色によるL.l.は塞栓部では0.8±0.8、非塞栓部では13.8±7.19であり、非塞栓部は塞栓部に比べて有意に高値を示した。

研究成果

(12件)

すべてその他

すべて文献書誌 (12件)

[文献書誌] N.Sugawara, Y,Harihara: "Intraoperative evaluation of small calibre ateerial reconstructions" Ultrasound in Med & Biol. 23. 473-476 (1997)
[文献書誌] T.Takayama, Y.Harihara: "Hepatic transplantation usingliving donors with aberrant hepatic artery" Journal of the American College of Surgeons. 184. 525-528 (1997)
[文献書誌] Y.Harihara: "A simple method to confirm patency of the graft bile duct during living-related partial liver transplantation" Transplantation. 64. 535-537 (1997)
[文献書誌] H.Imanishi, Y.Harihara: "Reduced gastric surface mucus layer in experimental portal hypertension" J Gastroenterol. 32. 720-725 (1997)
[文献書誌] 針原康, 幕内雅敏: "異種移植" Pharma Medica. 15. 45-50 (1997)
[文献書誌] 針原康, 幕内雅敏: "生体部分肝移植" 日本内科学会雑誌. 86. 1055-1061 (1997)
[文献書誌] 針原康, 幕内雅敏: "生体肝移植-成人例に対する応用-" 今日の移植. 10. 515-519 (1997)
[文献書誌] 針原康, 幕内雅敏: "特集-小児科医のための臓器移植の現状と未来[11]肝臓・小腸移植" 小児科臨床. 50. 79-85 (1997)
[文献書誌] 針原康, 幕内雅敏: "生体部分肝移植の実際" 小児看護. 21. 2-8 (1998)
[文献書誌] 針原康, 三條健昌: "3.消化器疾患 2.胆道疾患" 患者の病態・生理と薬物投与. 136-146 (1997)
[文献書誌] 菅原寧彦, 針原康: "Annual Review 消化器1997" 戸田剛太郎,税所宏光,寺野彰,幕内雅敏編集, 9 (1997)
[文献書誌] 菅原寧彦, 針原康: "16.臓器移植(腎肝移植)" 伊藤孝治,伊賀立二編集, 9 (1997)

1997 年度 実績報告書

門脈塞栓術後の肝再生のメカニズムと肝細胞増殖因子の肝再生に対する効果

研究代表者

窪田 敬一 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (70260388)

研究成果

[文献書誌] N.Sugawara, Y,Harihara: "Intraoperative evaluation of small calibre ateerial reconstructions" Ultrasound in Med & Biol. 23. 473-476 (1997)

[文献書誌] T.Takayama, Y.Harihara: "Hepatic transplantation usingliving donors with aberrant hepatic artery" Journal of the American College of Surgeons. 184. 525-528 (1997)

[文献書誌] Y.Harihara: "A simple method to confirm patency of the graft bile duct during living-related partial liver transplantation" Transplantation. 64. 535-537 (1997)

[文献書誌] H.Imanishi, Y.Harihara: "Reduced gastric surface mucus layer in experimental portal hypertension" J Gastroenterol. 32. 720-725 (1997)

[文献書誌] 針原康, 幕内雅敏: "異種移植" Pharma Medica. 15. 45-50 (1997)

[文献書誌] 針原康, 幕内雅敏: "生体部分肝移植" 日本内科学会雑誌. 86. 1055-1061 (1997)

[文献書誌] 針原康, 幕内雅敏: "生体肝移植-成人例に対する応用-" 今日の移植. 10. 515-519 (1997)

[文献書誌] 針原康, 幕内雅敏: "特集-小児科医のための臓器移植の現状と未来[11]肝臓・小腸移植" 小児科臨床. 50. 79-85 (1997)

[文献書誌] 針原康, 幕内雅敏: "生体部分肝移植の実際" 小児看護. 21. 2-8 (1998)

[文献書誌] 針原康, 三條健昌: "3.消化器疾患 2.胆道疾患" 患者の病態・生理と薬物投与. 136-146 (1997)

[文献書誌] 菅原寧彦, 針原康: "Annual Review 消化器1997" 戸田剛太郎,税所宏光,寺野彰,幕内雅敏編集, 9 (1997)

[文献書誌] 菅原寧彦, 針原康: "16.臓器移植(腎肝移植)" 伊藤孝治,伊賀立二編集, 9 (1997)

1997 年度実績報告書

窪田敬一東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (70260388)