平成8年度 1)現在われわれが樹立、継代しているヒト食道癌培養細胞8株とヌードマウス可移植性食道癌10株を用い、Matrilysinの検出をnorthern blotにて試みた。 2)同一の材料を用いて、マトリゲル、トランスウエルを用いたinvasion assayを行った。浸潤率は高い方からSGF-7、8、3、11、9、12、4、5の順であった。 3)SCIDおよびヌードマウスに経静脈的、腹腔内、睾丸内にこの食道癌細胞株8株を移植してみたが、浸潤能を比較できるほどの浸潤、転移は起こさなかった。 4)患者より食道癌組織および転移巣の組織を採取し、新しい培養細胞株およびヌードマウス可移植性食道癌株を作製した。また、一部を凍結保存し今後の研究に備えた。 5)1)で得られた結果を2)および3)の結果と比較検討したが、明らかな相関は得られなかった。 6)現在その他のMMP、TIMP等と癌の浸潤転移に関して研究を継続中である。
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