研究概要 |
肝移植における肝阻血再灌流障害を軽減する目的で検討を行ってきた.これまでの臨床での検討では生体部分肝移植においてグラフトの肝動脈の全てを再建する必要のないことが明かとなった.すなわち68例の生体部分肝移植症例のうち16例においては一部のグラフト肝動脈のみを行ったが,1例も肝動脈血栓症は無く,このことは手術時間短縮に寄与しひいては手術成績の向上に役立っているものと考えられた. ラット肝移植においては門脈うっ血時間の長期化がその生存率に大きく関わってくるために,現在のところ肝動脈吻合を終了した時点での再灌流を死亡率が極めて高く,このことの改善のための手技を検討中である.
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