研究課題/領域番号 |
08671440
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
梅下 浩司 大阪大学, 医学部, 助手 (60252649)
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研究分担者 |
三好 秀幸 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
大里 浩樹 大阪大学, 医学部, 助手 (10273682)
後藤 満一 大阪大学, 医学部, 助教授 (50162160)
左近 賢人 大阪大学, 医学部, 講師 (40170659)
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キーワード | 肝虚血再潅流傷害 / oxidative stress / tert-butyl hydroperoxide / bleb / HuH7 / 細胞質プロテアーゼ / カルパイン / アンチセンス |
研究概要 |
ラット初代培養肝細胞にtert-butyl hydroperoxide(TBHP)を負荷するoxidative stressの系で、カルシウム依存性蛋白分解酵素カルパインの阻害剤カルペプチンが有効であるという知見を得たが、他の阻害剤と同様にカルペプチンは細胞膜透過性が少なく生細胞内でカルパインを十分制御することは困難であることが判明した。そこで、カルパインのアンチセンスを細胞内に導入することでカルパインの制御を試みた。細胞はhuman hepatoblastomaのcell lineあるHuH7を使用した。アンチセンス導入にはHVJ-liposomeを用いた。HVJ-liposomeのHuH7へのアンチセンス導入効率をFITCで標識したアンチセンスを導入しレザー共焦点顕微鏡で検討したところ100%であった。また、カルパインの発現を蛋白レベルで検討した結果、有効なアンチセンスを見出せた。アンチセンス導入によりカルパインの発現を抑えたHuH7にTBHPによるoxidative stressを負荷したところmembrane blebbingはほとんど観察されなっかた。一方、アンチセンスを導入していない細胞やカルパインの発現に影響しないアンチセンスを導入した細胞ではTBHP負荷により著しいmembrane blebbingを認めた。以上の結果より、カルパインがoxidative stressにおけるmembrane blebbingのkeyとなっていることが明らかになったとともに、カルパインの制御により虚血再潅流傷害を軽減しうることが示唆された。
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