研究課題/領域番号 |
08671441
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
竹山 宜典 神戸大学, 医学部, 助手 (70263374)
|
研究分担者 |
堀 裕一 神戸大学, 医学部・附属病院, 医員
上田 隆 神戸大学, 医学部・附属病院, 医員
|
キーワード | 急性膵炎 / 臓器障害 / 重症化機構 / アポトーシス |
研究概要 |
本研究では、膵炎腹水による細胞障害機構をアポトーシスに注目して解析することを目的としている。その達成状況を以下に示す。 1)急性膵炎における重要臓器でのアポトーシスの証明 実験モデルを用いた解析では、ラット壊死性膵炎モデルの肝、腎、胸線においてアポトーシス細胞が存在すること、さらにこのモデルで貯留する腹水を正常ラットの腹腔に投与するとやはり肝、腎にアポトーシスが生じることを確認している。一方、重症急性膵炎死亡例の肝腎組織にもアポトーシス細胞が存在することを見い出しており、In vivoでの重要臓器におけるアポトーシスの証明は達成されている。 2)膵炎腹水を用いたIn vitroの解析 ラット初代培養肝細胞、ラット単離近位尿細管を用いた解析では、実験急性膵炎腹水は時間依存性、用量依存性にアポトーシスを誘導することが証明された。現在、臨床例から得られた急性膵炎腹水について同様の解析を行っている。 3)アポトーシス誘導因子の解析 急性膵炎腹水の解析から、アポトーシスを誘導することが報告されている既存のサイトカインのうちで、TNF-αが膵炎腹水によるアポトーシス誘導に関与する可能性があるが、未知の因子の関与の可能性もあり、現在解析を進めている。 4)平成9年度の展望 まず、in vitroの解析では、急性膵炎モデルにおいて腹水除去がアポトーシス誘導に阻止的に働くかを検討し、本疾患の臓器障害における腹腔内反応の意義を明らかにする。さらに、臨床例の剖倹臓器におけるアポトーシスを多症例にわたって確認する。in vitroでは、FasやBc12などの細胞内アポトーシス誘導機構構成因子を解析し、アポトーシス誘導機構からアポトーシス誘導因子の候補をしぼり込み、その同定を目指す。
|